月と太陽
亜利沙に連れられ、日下家へ2度目の訪問となる。
玄関のドアを開け、家に入るなり亜利沙は「母さん!ちょっと来て!」と大きな声を出した。
奥からパタパタとスリッパの音が聞こえてきた。
「亜利沙?コンビニに行ったんじゃ…」
そう言いながら、亜利沙の声に驚き歩いて来たタケルのお母さんは、わたしがいることに気付くと、ハッと一瞬息を止めたように見えた。
「しずくちゃん…」
タケルのお母さんは、そっとわたしに歩み寄って来た。
そして、何も言わずに優しく抱きしめた。
胸が熱くなって、何かがこみ上げてくる。
それは涙として、信じられないほど沢山溢れ出してきた。
涙のわけなど、自分でもわからない。
ただ、わたしには温か過ぎた。
人の温もりをこんなにも感じる。
わたしはタケルのお母さんの背中に腕を回し、服をギュッと掴んだ。
思わず抱きしめてしまうほど、わたしはか弱く小さく見えたのだろう。
まるで段ボール箱に捨てられた子犬のように。
玄関のドアを開け、家に入るなり亜利沙は「母さん!ちょっと来て!」と大きな声を出した。
奥からパタパタとスリッパの音が聞こえてきた。
「亜利沙?コンビニに行ったんじゃ…」
そう言いながら、亜利沙の声に驚き歩いて来たタケルのお母さんは、わたしがいることに気付くと、ハッと一瞬息を止めたように見えた。
「しずくちゃん…」
タケルのお母さんは、そっとわたしに歩み寄って来た。
そして、何も言わずに優しく抱きしめた。
胸が熱くなって、何かがこみ上げてくる。
それは涙として、信じられないほど沢山溢れ出してきた。
涙のわけなど、自分でもわからない。
ただ、わたしには温か過ぎた。
人の温もりをこんなにも感じる。
わたしはタケルのお母さんの背中に腕を回し、服をギュッと掴んだ。
思わず抱きしめてしまうほど、わたしはか弱く小さく見えたのだろう。
まるで段ボール箱に捨てられた子犬のように。