月と太陽
校舎に入り、職員室を探した。

周りの人たちの視線がやけに気になった。

職員室は、2階の階段を上がって目の前にあった。

ドアは空いていたが、ノックして中に入った。

誰も声はかけてこない。

どうしたらいいのか、職員室の入口付近に突っ立っていると、1人の先生がわたしに気付いてくれた。

まだ若そうな眼鏡をかけた男の先生だ。

「もしかして、転校生の月沢か?」

「は、はい…」

「はじめまして、僕が今日から君の担任になる瀬戸だ。よろしく」

柔らかい話し方をする先生で少しホッとした自分がいた。
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