月と太陽
右側の奥には、部屋が2つあった。

そのうちの手前の部屋のドアが開いていて、タケルがその前に立っている。

わたしはタケルのそばまで歩み寄ると、そっと部屋を覗いた。

「しずくの部屋だよ」

そこには、家具が全て揃った素敵な部屋が広がっていた。

今までわたしが使っていた部屋の倍の広さはあるだろう。

わたしはタケルを見上げた。

タケルは微笑んで、首を傾け「入りなよ」と目で合図した。

わたしはその部屋に足を踏み入れた。

柔らかい絨毯の感触が足の裏に伝わる。

白を基調としたカーテンやベッドカバー。

家具はどれも木目調で、所々に観葉植物が飾れていた。
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