月と太陽
この日、学校祭準備のため帰りがいつもより遅くなってしまった。

すでに太陽が沈みかけ、月がハッキリと顔を出している。

亜利沙が車で迎えに来てくれ、タケルとわたしは後部座席へ、涼は助手席へと座った。

「じゃあな〜!また明日!」

匡人と梨子に別れを告げ、車がゆっくりと走り出す。

亜利沙が運転する車は、ほとんど揺れを感じず乗り心地がいい。

車に詳しくないわたしでも、高級車だということがわかった。

「明日はいよいよ学校祭ね」

運転する亜利沙が真っ直ぐ前を見ながら言った。

「準備の方は大丈夫なの?」

「バッチリさ。しずくの飾りつけも好評だったしな。しずく、センスいいよ」

助手席からこっちを振り向き、涼が言った。

亜利沙は「明日が楽しみだわ〜」と声を弾ませた。
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