月と太陽
目が覚めた時には、カーテンの隙間から日差しが射し込んでいた。

枕元に置いた携帯電話で時間を確認する。

6:43

起きるのには丁度良い時間だ。

胸元に手を触れるが、わたしが触れたい物に手が触れない。

わたしは慌てて起き上がり、首元に手を移す。

チェーンが見つかった。

チェーンをクルクル回すと、キラリと光る三日月がわたしの髪の間から姿を現した。

ただ、寝ている間に首の後ろへ移動してしまっていただけだった。

ホッと胸をなで下ろすと、わたしは顔を洗いに2階へ下りた。

洗面所を覗くと、タオルを顔にあて「ふぅ〜」と一息ついている亜利沙の姿があった。

亜利沙はこっちを向くと、笑顔で「しずく、おはよう」と言った。
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