spiral "eternal"
皆の視線が一気に亜未に戻る
「て、天使ぃ!?」
直の馬鹿でかい声が部屋中に響き渡った
皆も、信じられないのか亜未と來を交互に見る
「本当だよ、彼女は天使。その碧色の瞳が天使の証なんだよ。」
確かに、亜未の瞳は綺麗な碧色
あんな珍しい色、普通はあり得ない
「けど、彼女が天使なら…共存してた時代の人って事でしょ?何千年も前の事なのに…。」
「彼女は今まで大樹の1部だった。彼女に時は流れてない、つまり、彼女は歳を取っていない。
でしょ?」
柚摛の問いに答えた來は、亜未の方を見つめた
亜未は1度悲しく微笑み、「…ハイ。」と頷いた
「貴方のおっしゃる通りです。私は天界で生まれた天使です。3つの種族がまだ共存していた時代に生きていました。
しかし、大樹の1部となってからは私には皆さんと同じ時間は流れていません。自分の生命力が尽きるまで…永遠に大樹の1部として生きる筈でした。」
「自分の人生を捨てる位の事が、その時代に起こった…それが、さっき春が言っていた事だろう?」
愁の言葉に、亜未は俯いて
「…私達の時代では、子供は地上にある人間の学校に通わせるのが習慣でした。今で言うと、留学のような感覚です。そうやって天使、人間、魔族はお互いに交流を持ち、平和に暮らしていました。」