spiral "eternal"
「っ…え?」予想外の言葉に、俺は一瞬反応が遅れた
亜未も驚いたのか、バッと顔を顔を上げる
「お祖父様…どうして!?」
「大地が目を覚ましたとして…それは本当に大地が望んだ光景なのか、分からないのじゃ。」
…杉浦大地が望んだ、光景…?
「どういう事だ、爺さん?」渚の問いに、爺さんは俺達に背を向けた
「大地達が生きていた時代から、随分時が流れてしまった。亜未、お主も分かるじゃろう?
ここはお主達が望んでいた世界じゃない。お主達が過ごした世界じゃない。
お主達を…知っている者はもう、誰1人残っておらんのじゃ…。」
「…。」亜未は言葉を詰まらせた
確かに、爺さんの言った通りだった
今目覚めた所で、地上は亜未達が知っている世界じゃない
亜未達を待っている大切な人達は、もういない
誰もいないんだ
「そんな現実を突きつけても、傷つくだけかもしれぬ。
なら…眠っている方が、幸せかもしれぬと。」
…この爺さんは、本当に杉浦大地の事を大切に思ってるんだ
そして、後悔している
彼等を、レミエルと戦わせてしまった事に
取り返しのつかない事をしてしまった事に
「…それでも。」
それでも
「杉浦大地が目覚めるのなら、俺は目覚めさせます。」