spiral "eternal"


「春…?」全員の視線が一斉に俺に向かう


「確かに、今の世界は亜未や杉浦大地が望んだ世界じゃない。目覚めたって…辛いだけかもしれない。

けど、俺の中にいるアイツは…俺に訴えかけてくるアイツは、そんな事少しも恐れていないんだ。」


ただ純粋に


亜未達にもう一度…会いたいって思ってる


「ま、まぁ…俺が目覚めさせられたらっていう話だけど…。」皆の視線から逃れたくて、俺は咄嗟にそう付け加えた


…出しゃばりすぎた


けど、杉浦大地はそう思ってる


俺には分かるから


「…本当に、徹君にソックリじゃな。」


少し切なそうに、爺さんはそう呟いた



「…来なさい。」


どことなく杖を取り出して


爺さんは歩き出す


「え?」


「お主なら…大地を目覚めさせられるじゃろう。

案内しよう、大地の下へ。」




カツッと杖をついて、爺さんは玄関の方に向かう


俺達は起こっている事態を何とか頭で処理しながら


爺さんの後をついていった





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