spiral "eternal"

その事は俺達も驚いた


地上で起こっている事を…魔界の、しかもこんな森の奥で知っているなんて…


「わしにはわかるのじゃよ。奴の気配が…。

奴が幼い頃からずっと…ずっと、知っておるからのぅ。」


「…幼い頃?」亜未は首を傾げた


…レミエルって確か、天使の中の王様なんだっけ?


そんな王様を幼い頃から知ってるなんて…本当にこの爺さんは一体…?


「レミエル様がまだレミエルの称号を受け継ぐ前…お主らの年の頃、奴は夏蓮の親友じゃった。」


「えっ…えぇ!?」亜未は柄にもなく驚きの声を上げた


「だ、大地のお母様が…レミエル様の親友!?」


「レミエル様とて、レミエルの称号を継ぐまではただの学生じゃ。奴と夏蓮、そして徹君はいつも一緒におったよ。

種族の垣根を越え…まるで、お主達のようにな…。」


その言葉に、亜未は表情を曇らせた


大地達とのことを思い出してるんだな…


アイツらも、とても仲が良かったから…



「ここじゃ。」


俺達は足を止める


俺達の目の前にあるのは…巨大な氷の洞窟


「こ、氷!?」


「こんなの…前はなかったのに…。」


驚きの声を上げ上げる俺達を横目に


「こっちじゃ。」と爺さんは更に奥へ足を進めた








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