spiral "eternal"



バンと美優は廊下への扉を開けた


けれど、そこには誰もいなかった


「どうしたの美優?」

「…人の気配がして。春か雫が起きてきたんじゃないかと思ったんだけど…。」


目の前には、誰もいない


美優は安心して扉を閉めた


「危なかったな。まだ二人には能力者だって言ってねぇんだろ?」

「あぁ。アイツ等がもし能力者だったら…言おうと思ってる。」


親が能力者だと知ったら、自分もそうかもしれないと疑うのは確かだろう

そうなった時、今ある幸せを失うことを恐れて

能力が暴走すれば元も子も無い


「…とりあえず、海と華のことは置いといて、明日俺達は志穂の下へ行くか。」


「…そうだな。」


志穂からの依頼か…


嫌な胸騒ぎを抱きながら


渚はお茶を口にした










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