spiral "eternal"



杉浦大地に皆の視線が集まる


顔を上げた彼の瞳は


強い意志が宿っていた


「俺は…レミエルから風を助け出す。」


「!」その言葉に反応したのは亜末だった


「助け出すって…そんなこと出来るの!?」


「いやわかんねぇけどさ、眠ってた俺だってこうして目覚めた訳だし…探せば方法はあるはずだろ?」


「た、確かにそうだけど…。」亜末は言葉を詰まらせた


レミエルに身体を乗っ取られている真田風


彼を助ける方法が、もしあるのなら…


「それって、レミエルと戦うってことだろ?つまり、真田風と…。」


「それも覚悟の上だ。」


俺の不安げな言葉とは反対に、杉浦大地はハッキリと告げた


「今、風の身体はレミエルのものだ。絶対に戦う事になると思う。けど、それが風を助ける為に必要な事なんだとしたら…俺は受けて立つさ。

誰かじゃない…風を元に戻すのは、親友である俺の役目だ。」



杉浦大地の言葉に、瞳に


迷いなんて微塵も映っていなかった


「…うん。」言葉を詰まらせていた亜末も、小さく頷いて


「風が障気にやられた時も、大地の光の力が風を助けてくれた。だからきっと、今回も風をレミエル様から助けられるよ。

私はそう…信じてる。」





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