spiral "eternal"
◆第五章◆
「報告だ、來。」
デスクで資料を読んでいた來の下に、stayは現れた
「協会本部に入り込んだ反学園勢力はほぼ制圧。外の方も松嶋夾が鎮圧した。反学園勢力は事実上壊滅したと言って間違いないだろう。」
stayの報告に、來は「…そう。」と小さく呟いて飲んでいたティーカップをデスクに置いた
「協会のお偉いさん方は安心しきってるが、俺的には反学園勢力のリーダーが姿を見せてないってのが引っ掛かる。本気で協会を潰したいなら…戦陣は切らないとはいえ、リーダーがここまで何もしてこないってのはおかしい。
何か別の目的があって、こっちはカモフラージュじゃねぇかってな…。」
報告にはリーダーおろか、幹部の一人も名は上がっていない
これだけの大勝負…下っ端だけで挑むなんて考えられない
「…待っているんだろうね。」
「えっ?」stayは首を傾げた
待っている…?
「『彼』はわかってるんだよ、これが最後の戦いだということが。そして最後の戦いだからこそ、自分が何を懸けるべきか…ちゃんと理解している。
役者も、舞台も、全部ね。」
stayもようやく理解した
自分の懸けるべきものを見つけ、そこまで準備している
それだけで、反学園勢力のリーダーは只者じゃないことがわかった
「…あいつは、その覚悟に立ち向かえんのかな。」
「出来るよ。彼の本当の力を信じればね。」