spiral "eternal"


「ちょっと待った。俺の能力は…光なんだろ?」


「そうだね。君は今まで光を操っていた光の能力者。けど…腑に落ちないことがいくつかあったよね、渚君?」


視線は一気に、渚へと向かった


「…春が使った、京介の能力のことか?」


渚の答えに、來は「そう。」と頷いた


「覚えてるよね?街で親子を助けた時、ここから暴走している大樹に向かった時…二回も春は光とは違う能力を扱った。」


「それは…。」


確かにそれは自覚している


けど両方とも必死だったから、何で使えたのか全く分からない


「その答えが、春の本当の能力に繋がっているというの?」


「そうだよ、美憂ちゃん。これこそが、春の能力の効果なんだよ。」


全員が首を傾げる


來は何を言っているんだ?


「まずね、春と大地君が光の能力者であったこと…そしてその大地君が春の内にずっと眠っていたこと…これがただの偶然だと思う?」


俺と大地…二人が光の能力者…


それが、偶然じゃないって言いたいのか…?


「確かに、似た能力を持つ者は学園内だってたくさんいる。けど、能力は似てるけどみんな個性が出て少し違うんだよね。

けど、春と大地君は全く同じ…まるで、鏡に映したかのようにどこも異なる点がない。何か不自然じゃない?」


「た、確かに…。」


「能力はその人物が持つ個性を表す。双子だった海と渚でさえ…違う能力を有していた。」


「それは二人は全く違う人間だから。同じ時に生まれ、同じように育ってきた海と渚君でも、感情、想い、思考は全く違う。だから個性を表す能力も全く違うものが備わっていた。」




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