spiral "eternal"

直、愁の言葉に來が付け足す


渚は炎の能力者


親父は…確か氷だって前に美憂が言ってたな…


「例えるなら、能力は免許証や指紋と同じような個人を証明するもの。変えなんてきかない…自分を表す一つの証明書なんだよ。」


能力は自分を表す証明書


なら…


「じゃあ…全く同じ光を操る二人はいったい…。」


葵の言葉に、俺は大地に視線を向けた


大地も丁度俺の方を見ていた


全く同じ能力を操る


俺達は…いったい…


「答えは簡単。」重たい空気の中、來の声が部屋に響き渡る



「春は、大地君の能力をコピーして使ってるだけなんだよ。」


一瞬、沈黙が走った


「…え?」やっと出た声は、掠れていた


「俺が…大地の能力をコピー?」


「そう。光は君自身の能力じゃない。目覚めたときから使えたのは、春の内に眠っていた大地君の心が影響しただけなんだよ。」


來の告白に、俺の頭はオーバーヒート寸前だった


つまり…


俺は…



「俺は…能力者じゃないってことなのか…?」





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