spiral "eternal"
一瞬、頭が働かなかった
春が言った事を…なかなか理解することが出来なかった
「春が…能力者?」
能力者って事は、特別な力を持っているって事で
これからずっと、最前線で魔物と戦ったりするわけで
もう…私達と同じ一般人じゃないの…?
『やっと皆を助け出せる準備が出来たんだ。もうすぐ、柚子達を助けられる。だから「…やめて。」
『…え?』春の戸惑う声が聞こえた
「ここに来たら…きっと危険な目に合う。こんな事してる犯人はおかしいし、何をしでかすか分からないよ!
いくら能力者だからって、酷い目に合っちゃうよ!!春が傷付くのなんて…嫌だ。」
自然と、目から涙が流れ始めた
それは止まることはなくて、次々と床に落ちていく
「…柚子。」泣き続ける私の背中を、雫が優しくさすってくれた
本当は、春に会いたい
今すぐにでも会って、今までみたいに側で笑って欲しい
だけど…学校ごと閉じ込めちゃう位の能力者だよ?
きっと強敵に違いない
そんな相手と戦ったら…春がどうなるか分からない
そんなの…耐えられない
『…覚えてるか、柚子?』