夏の桜が咲く。
よし…
最後に…
「お母さん
神田家ってまだ場所変わってない?」
「そうね。
引っ越したって話は聞いてないわ」
「ありがとう。」
「行くの?」
「うん」
「そう、いってらっしゃい」
私は夏来くんの家に向かった
ピンポーン…
「はぁい」
夏来くんのお母さんの声だ
本当に久しぶりに会う
「ご無沙汰してます。」
「梨桜ちゃん?」
「はい。」
「あらまぁ…久しぶりねぇ
綺麗になったわね」
「いいえ」
「ふふっ。
どうぞ上がって」
「はい。おじゃまします」
久しぶりに来た神田家は
あまり変わっていなかった
けど、お母さんは明らかに
元気がなかった。
「夏来くんからは連絡無いんですか?」
「ないわね…」
「そうなんですか…」
「全く、バカ息子なんだから…」
お母さんが私の手元を見た
「梨桜ちゃん結婚したの?」
「え?何でですか?」
「指輪してるから」
「あぁ…コレは夏来くんにもらった
指輪です」
クリスマスにもらった指輪
まだ手放せなくって付けてる。
「お付き合いしてる人もいないの?」
「夏来くん以外付き合った事
ありません…」
時間がなかったというのもある
「ごめんね…
梨桜ちゃんの人生めちゃくちゃにしちゃって」
「何がめちゃくちゃなんですか?」
「梨桜ちゃん美人なのに…」
顔を横にふった
「私は夏来くんに出会えて
本当に幸せです。」
そう言って笑った。
お願い…夏来くん。
もう一度会いたいよ