夏の桜が咲く。
「ふぅ…」
完成した時にはすでに外は
明るくなっていた
久しぶりにここまで集中した
完成した桜は お父さんの下書きの
お陰もあって
今までで一番の出来だと思えた
時計を見るともう6時
はやくお弁当作らないと
学校についたのは7時半だった
昨日より30分も遅かった
「佐倉さんおはよ」
ニッコリ微笑む神田くん
「おはよ」
「今日はちょっと遅めなんだね?」
「うん。ちょっと徹夜しちゃって」
「徹夜⁈大丈夫なの⁇」
「うん!眠たくなったら寝るし」
大丈夫なんて言いながら
すでに眠たい。
「無理すんなよ?」
「うん。ありがと」
神田くんはやっぱり優しいな
「佐倉さんにもらった絵飾ってるよ」
そう言って神田くんは笑った
「ありがとっ」
本当に嬉しくなった
「もし良かったらさ家の電話番号教えてくれない?」
「ごめん…私電話ないんだ」
本当に今まで必要なかったし
買ってくれる人なんていなかったから
「そ…そっか、ごめん」
下を向く神田くん
「お父さんに頼んでみる!
そうしたら神田くんに1番に教えるよ!」
「本当⁈何かごめん」
「全然」
帰ったらお父さんに頼んでみよう…
もしかしたら買ってもらえるかも
しれない。