とある王子(兄)が引きこもりの姫(妹)を愛する(復讐する)話
最後のほうは願望みたいだ。「そーですねぇ。」と同意すると、先生は「できるかぎり僕も手を尽くしますので。」と微笑んだ。
うん、いい先生だ。入学式以来来ていないのに、ずっと胡桃の事を気にしてくれているらしい。母さんが「この先生は他の先生とは違うのよ、本当にいいひとだわ。」と言っていたのを思い出した。
「あ、そうだ。小夜恵(さよえ)さんは元気ですか?」
突然母さんの名前をだし、様子を伺ってくる先生に「まあまあ元気ですよ。」と答えれば、「そうですか。」とどこかほっとしたように答える。
「...。」
なーんか、気になる言い方だな。
「母さんと仲いいんすか?」
「仲がいいというか、川中の事でよく連絡をとっているので。」
答えになってない。
「...。」
そういえば、最近、母さんはよく長電話してるって王子が言ってた。もしかして、相手ってこの人?
「あー、なるほど。胡桃の事でなら仕方ないよねー。」
「、まあ、僕が受け持っている生徒ですからね。」
最初、少しだけ動揺を見せた気がした。
「では、授業が始まるので。」
「あ、ハイ。」
そそくさと戻っていくセンセイはなんだか、この場から逃げたように見える。
「...。」
まあ、母さんには父さんも一応いるし考えすぎかな。