とある王子(兄)が引きこもりの姫(妹)を愛する(復讐する)話
祐樹は、妹として胡桃を心配しているし学校に行かせて世間でいう普通の道を歩んでほしいんだろうけど俺は違う。ただ、俺の私物を勝手に使ったり、ずっとだんまりを決め込んでいる事が許せないだけだ。
数年前までは少しは心配していた時もあったが、これだけ続けばどうでもよくなってくる。
それに俺、一度あったことは根に持つタイプだししつこいから。こうと決めたらまわり関係なく可笑しく事を進めて楽しむ材料にしてしまう。
悪い癖かもしれない。
「まあ、簡単に言うと恐怖に陥れる。」
「は?」
返答を待っていた祐樹に無表情で答えれば、彼はきょとんとした。
「胡桃は、逃げてばかりで世間や恐怖を知らない。だから、一度世間に出して、恐怖を植え付けてやろうと思って。こないだ俺があれだけ言ったのに変わろうとしないし、出会い系をしているってバレてるのに、まだやってるから。」
ほら、と出会い系サイトの胡桃のプロフィールをみせるとログイン状態になっている。
「ま、まじかよ。どうやって...?」
「出会い系で釣ったやつらを使って、襲ってもらおーかなって思って。」
「はあ!?んなのあぶねーだろ!」
「大丈夫、俺が事前にあって確かめるから。」
「王子もあぶねーって!」
「会うのが無理だったら、チャットで相手を落とすからそれでこっちの言うことを優先して聞いてもらうようにする。今、3人と毎日「カラオ」でチャットしてるし、結構俺にはまってくれてるみたいだから。」
「....それ、胡桃の為になんの?」
「8割俺の遊びの為、2割は胡桃の今後の為。」
そう言えば、祐樹は絶句したようだ。
「犯罪になるようなことはしないから安心しろよ。」
「ッ、あたりまえだろ。」