とある王子(兄)が引きこもりの姫(妹)を愛する(復讐する)話






ムシ:っつーかさ、本当にくるみちゃんのオネエチャンなのか!?

おーじ:うん

「ムシ」は出会い系で本気で彼女をつくろうとしていたらしい。年齢は23歳。普通のサラリーマンだと言っていた。こういう相手には、兄として接するより、女として接したほうが仲良くなれるだろう。

そう考えた俺は、兄ではなく姉と称していた。

思った通り、ムシは食いつきがいい。妹の胡桃より俺の方が年齢が近いためにすぐに俺に乗り換えてきた。


ムシ:写メみせてよー!!!

おーじ:えー

ムシ:ぼかしていいから!お願いー!


「...。」

しょうがなく、自分の女装写メをぼかして送りつけると「予想以上!めっちゃかわいいじゃん!!やべーたったわ」と返事が返ってきた。こっちは予想以上に気持ち悪い。


ムシ:マジで可愛い。ドストライク。ねえ、今度会わない?

おーじ:いいよ


あまり、ここでむやみに否定すると、こっちに興味がないことを悟られてしまう恐れがあるためにとりあえず肯定しておくのがいいと思う。

ムシ:うーわー!楽しみ!!何時ならあいてんの!?

おーじ:うーん、バイト忙しいからまだわかんないなぁ。予定わかったら連絡するね


バイト、なんてしてませんけど。ふっつーに働いてますけど。所詮、文字だ。嘘なんてわかるわけがない。


疑うこともせずに鵜呑みにしたムシと暫くコミュニケーションをとり、そして、落とすことに成功した。
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