イジワル王子と屋根の下
―ピピピ…
「…38度6分」
「…大丈夫。行く」
「ダメ!!」
体温計に表示されたその数字に、そいつは目を丸くしてそれを読み上げた。
それを気にせずベッドから出ようとする俺に、その腕は必死に俺の動きを阻む。
それは、朝起きてすぐのこと。
少しフラフラする、気持ち悪い、けれどまぁ大丈夫だろうと身支度をしようと部屋から出た…が、自分の予想以上体調は優れていなかったらしく、リビングに出て即体は倒れた。
キャーキャーうるさい悲鳴をあげながらもこいつに運ばれ、ベッドへ逆戻りだ。