イジワル王子と屋根の下
ー…
眠気と熱とでぼんやりと開いた視界には
見慣れた天井。
(…今、何時…)
視線を向けた壁の時計は14時を指していて、結構な時間自分が寝ていたのだと気付く。
「……」
微かに開いたドアの隙間から漂うのは、何やら食事を作ってるらしいいい匂い。
(…あいつ、居るのか)
―ガチャ、
「瞬、おじや作ったけど…あ、起きてた?」
「あぁ、今」
「さっきより顔色いいけどまだ熱ありそうだね」
そいつ…梨沙はそう近付いてきて俺の額へ手を当て熱を計る。
「……」
水に触れていたのか、ひんやりとするその体温。
女らしい、小さな手