イジワル王子と屋根の下
「……」
黙った俺に梨沙はよしよしと頭を撫でる。
「…んだよ」
「やっぱり可愛いなぁと思って」
「あぁ?」
「嬉しいよ」
「…?」
不意に呟かれたのは、意外な言葉。
「瞬が自分からそういう話ししてくれるなんて、珍しいじゃん」
「……」
普段は絶対、話さないようなこと。
けど、話せたのはきっと
「…熱あるからな。頭おかしくなってきてるんだよ」
「はいはい」
そう言う俺に、信じていないのであろうその顔は笑う。