イジワル王子と屋根の下



「…あ、ご飯食べ終わったら上の服脱いで貰っていい?汗すごいから起きてるうちに着替えちゃお」

「……」



人前で服を脱ぐなんてあまり気乗りしない。けれど汗で服と体が濡れており不快なのも事実。

ある程度腹が満たされたこともあり、俺は半分近く食い終えた皿をベッド横のテーブルへと置き、シャツを脱いだ。

それをじっと見る、その視線。



「……」

「?何」

「いや、この前も思ったんだけど瞬も意外といい体つきしてるんだなと…」

「キャーキャー騒いでたくせに」

「あっあれはあんたが悪い!!」



言いながら思い出しているのか、その顔は赤く染まる。



(…また顔赤くしてる)



この前はつい、その反応が面白くてからかってしまったけど

不慣れな感じのその反応が、また可愛い。



…っておい、待て俺。可愛いって何だ。

無意識に思ったその気持ちを消して、脱いだシャツを梨沙へ手渡す。


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