イジワル王子と屋根の下
「…そこの引き出しからシャツ取れ」
「どこの引き出し?」
「…いい、自分でとる」
…まぁ当然俺の部屋の洋服ケースの位置などそいつには分かるはずもなく、けれど細かく説明するのも面倒臭い。ならばと自分で体を動かした…が
やはりまだ本調子ではない体は、立ち上がろうとするもののガクンと力が抜けた。
「あ…」
「わっ…」
ドターンッ!
「っ…」
勢いよく梨沙の方へ倒れこんだ体。それは気付けば、俺はその体を押し倒す形で倒れていて…
「……」
「……、」
目の前には触れそうなほど、近いその顔。