イジワル王子と屋根の下
「…じゃ、一緒に行ってやるよ」
「…へ?」
瞬が?
あの買い物すら嫌々な瞬が??一緒にお祭り???
…こ、これは罠…!!?
「…お前が何考えてるか手に取るようにわかる」
「だ、だって…あ!わかった!行く相手がいない私を無様だって心の底で笑う気なんだ!!」
「違ぇよ」
大きなその手はぺちん、と軽く頭を叩く。
「…この前の、礼」
「?」
「熱出した時、世話になっただろ」
「……」
少しぎこちなく言う表情から察するのは、その優しさ。
(…お礼なんて、別にいいのに)
けど、折角だし…甘えてみようかな。
「…うん、」
ぎこちなくも嬉しく頷いた私に、瞬はフンと笑って歩き出した。