イジワル王子と屋根の下
―…
そうして翌日の、陽が沈んだ頃。
お囃子の音響く夜の町を、私と瞬は二人並んで歩いていた。
「わー…すごい人」
「出店とビンゴ大会くらいの小さな祭りだけどな」
「ビンゴ!いいなー!」
「?好きなのか?」
「うんっ、わくわくするよね!結局リーチが沢山出来てあと一つって所でならないんだけど!」
「……」
あー…と呆れたような、納得したような顔で瞬は歩き続ける。
「……」
不意に見上げれば、少し高い位置にある顔。
辺りを見渡す横顔は、普段の意地悪い顔とは少し違うように見える。
(…綺麗な顔)
出店の灯りに照らされる整ったその顔立ちに、思わず見とれてしまう。