イジワル王子と屋根の下
「…うん、確かに瞬の部屋には似合わないかも」
「うるせーよ」
変、なの。
最近はいじわるよりその優しさばかりが見えてきて、いちいち心が音を立てるよ。
「そういえばさっきあっちにかき氷屋さんが…わっ、」
そう歩き出すものの道は沢山の人でごった返しており、一瞬その後ろ姿を見失いかける。
ま、まずいっ…
今瞬を見失ったら、この不慣れな町で置き去りにされる…!!
それは嫌!!見失えない!!
その一心で私は咄嗟に、瞬のTシャツの裾をがしっと掴んだ。