イジワル王子と屋根の下
5.犬と土曜日
土曜日の朝
眩しい日差しが差し込む、朝
―バタバタバタッ…バァンッ!!
「瞬!起きて!起きて起きて起きてー!!!」
「…んだよ…」
「もう8時!遅刻!!起きて起きてー!!」
「……」
うるさい声に叩き起こされ、寝ぼけ眼で携帯を見れば確かに今は朝8時だ。
(…いや、つーか)
「…今日、休み」
「え?」
よく晴れた初夏の土曜日。
普段は週に一日、日曜しかない休み。けれど有給が毎年余って仕方ない俺は、上司の勧めで今日は有給を取ることにした。
久々の土日休み、特にすることはないけれどそれならそれで存分に寝よう…そう思っていたのに
このバカ女の勘違いで叩き起こされた土曜日。