イジワル王子と屋根の下
「あっ、名前!名前は!?」
「亀戸瞬」
そしてそれだけ呟いて、ドアはバタンと閉じられる。
「……」
な…何なの…
何なのよあの人ー!!!
犬!?犬って!哀れって!それと人の名前くらい聞きなさいよー!!!
楽しみにしてた一人暮らしが…何でこんなことに…!!
ていうかあの人怖いんですけど!ドSなオーラ出まくりなんですけど!
(あんな人と一緒に暮らすなんて…前途多難にも程があるよ)
「……はぁ…」
…取りあえず、早くお金貯めて引っ越そう。
そう心に決めて、私は向かって右手にある小さな部屋へと入っていった。