イジワル王子と屋根の下
「…で、何で俺がお前の買い物に付き合わなきゃならないんだよ」
「だってお米買いたかったし!一人じゃ持てないもん」
「米くらい担いで帰ってこい」
「どうせ暇だったしいいじゃん!」
「暇だった?昼寝してた俺をわざわざ叩き起こして連れてきたのはどこの誰だ?あぁ?」
「ご…ごめんなさい…」
瞬はそうイライラとした顔で私の顔を手でギリギリと掴む。その手から逃れ、私はカゴを片手に売り場を見渡した。
(…変わった気がする、だけかぁ)
まぁ、そうだよね。元々が意地悪だから普通に優しくされただけですごく優しく感じるだけ。
「おい」
「?何?」
「カゴ」
「……」
けどそれでも、そう素っ気なくもカゴを奪う仕草が心をドキリとさせるよ。