イジワル王子と屋根の下
「亀戸さん!あっ、今日有給だったんですよね」
「折角の焼肉パーティ、何でこないんですかー?」
「ごめんごめん、いきなりの話だったからさ。僕はまた今度の機会に」
(僕!僕って…!)
ブフッと噴き出す笑いを堪える私に、瞬は私の脇腹を見えないようにつねる。
(痛い痛い痛い!!ごめんなさい!!)
ちくしょう、この腹黒男!!
そうしていると、不意にその人たちの視線はこちらへ向く。
「あれ?亀戸、隣にいるの…」
「もしかして…彼女!?」
「えっ!?いや、あのっ…」
「違うよ。父親の姉の娘の友達の友達の近所の人」
「……」
って、どんだけ縁遠い他人!?
ツッコミたくなる私に、またもその手はぎゅっと脇腹をつねる。