イジワル王子と屋根の下



「亀戸さん!あっ、今日有給だったんですよね」

「折角の焼肉パーティ、何でこないんですかー?」

「ごめんごめん、いきなりの話だったからさ。僕はまた今度の機会に」



(僕!僕って…!)



ブフッと噴き出す笑いを堪える私に、瞬は私の脇腹を見えないようにつねる。



(痛い痛い痛い!!ごめんなさい!!)



ちくしょう、この腹黒男!!

そうしていると、不意にその人たちの視線はこちらへ向く。



「あれ?亀戸、隣にいるの…」

「もしかして…彼女!?」

「えっ!?いや、あのっ…」

「違うよ。父親の姉の娘の友達の友達の近所の人」

「……」



って、どんだけ縁遠い他人!?

ツッコミたくなる私に、またもその手はぎゅっと脇腹をつねる。



< 137 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop