イジワル王子と屋根の下
―…
ざわざわとにぎわう朝の社内。
俺はいつものように休憩室でコーヒーを飲みながら、仕事前のひと時を過ごしていた。
「おはようございます、亀戸さん」
「おはよー、亀戸」
「おはよう」
休憩室へ入って来て同じように飲み物を飲み始める後輩や同僚には、今日も相変わらず笑顔を向ける。
「おー、瞬おはよう」
「…げ」
「?何か言ったか?」
「いえ何も。おはようございます、課長」
そう向かいの席に座るのは今一番見たくない顔…課長で、俺の今朝からの不機嫌の原因だ。