イジワル王子と屋根の下
「それと、あんまり梨沙ちゃんに八つ当たりするなよ。喧嘩した、って怒ってたぞ」
「…心配しなくても仲直りしましたから。大丈夫ですよ」
「仲直り出来てもまた同じ事繰り返したら意味ないだろ。だから肝に命じとけってことだよ」
「……」
いつもなら、ニコニコ笑って返せる言葉。
けど、今の俺にそんな余裕はなく
「……」
「……」
真面目にこちらを見る課長に、睨むように見つめ返す。
「…な、なんか亀戸さんと課長、険悪な感じ…?」
「まさかこの前のあの子を巡って亀戸vs課長…!?」
「……」
丸聞こえな小声で噂をする同僚たちに、俺は黙ってコーヒーを飲む。