イジワル王子と屋根の下
『…アホ。プライドとかないのかよ』
『?』
『あーもう…こっちが悪いことしてる気分になるじゃねーか』
『へ?何で…』
ところが、瞬から返されたのは叱る言葉よりも脱力したような言葉。
『梨沙』
『?』
『……悪かった』
『……』
それと、悪かったの一言。
(あれはすごくびっくりしたかも…)
意外な言葉に、また心が動く。
「あ、そういえば私今日職場の飲み会なんだ。だから帰り遅くなるから、ご飯買って食べてね」
「飲み会?」
「うん。先月売り上げよかったからお祝いだって」
「ふーん…」
一応報告する私に、瞬は興味なさそうに朝食を食べている。