イジワル王子と屋根の下
ードタンッ!ドタドタドタッ…バァンッ!!
「ごめん寝坊した!!!」
サーッと引いた血の気に大急ぎで部屋へと飛び出すと、そこは誰一人としていない静かなダイニング。
「…あれ?」
玄関を見ればいつも置かれている瞬の革靴は無く、とっくに家を出ているのだと知る。
(一人で出たんだ…)
酔っ払って帰ってきて爆睡して朝も起きられなかったとか…
『犬のくせにいつまでもグースカ寝てやがってこの駄目犬が!!主人の為に仕えることも出来ないなら出てけ!野良犬にしてやる!!』
って怒ってるに決まってる…!!
(帰って来たら全力で謝ろう…!!)
そう嫌な想像だけを頭にめぐらせ、私はがっくりと肩を落とした。