イジワル王子と屋根の下



「……」



(…そういう人、居るんじゃん)



あぁ、そっか。だから余計機嫌悪いのかな。

恋人がいる人が、仕方ないからここに住んでるのに当の私はこんなで…そりゃあ、不機嫌にもなるよね。



やっぱり私は何も知らない。

彼の優しさや意地悪な顔、それだけしか知らない。



痛い

胸が、痛い





「…、」



痛みをこらえるように、ぎゅっとシャツを握った。





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