イジワル王子と屋根の下
ー…
「…さん、水谷さん!」
「わっ、はい!」
ガシャンッ
翌日、仕事中に突然呼ばれた名前にハッとし手元のケーキを床に落としてしまう。
「あ〜…やっちゃった」
「大丈夫?」
「すみません、弁償します…」
急いで床を掃除する私に、呼んだ本人である大野さんは苦笑いを浮かべる。
「水谷さん、今日体調悪い?」
「え?何でですか?」
「やけにボーッとしてるし、ミスも多いから」
「す、すみません…」