イジワル王子と屋根の下
「…わかったよ、してやる」
「!本当!?」
「目閉じて顔こっちに向けろ」
「はい…」
ところが瞬からはまさかのOK。ダメもとで言ってみただけにその反応が嬉しく、私は素直に目を閉じた。
ま、まさかしてやるなんて言ってくれるなんて…すごく恥ずかしいけど、たまには素直に言ってみるものだね!うん!
胸をドキドキとさせ、目を閉じその唇が触れるのを待つ。
(…まだかな…)
ーバタン、
…ん?今何かドアの音がしたような気が…
「…、」
チラ、と薄く目を開けては彼がいるはずのそこを見る…が、すでにそこには誰もおらず鞄も靴もない。
「……」
…あぁ、さっきのドアの音は瞬が家を出た音だったんですねー…
「…って、瞬ー!!?」
本当に、私達恋人ですか!?