イジワル王子と屋根の下
「…瞬ー?」
そーっと中を見ると、その部屋は私の部屋より広く窓も大きい洋室。
室内には机と本棚、テレビ…と最低限の家具が並び、机の上にはパソコンと置かれたままの本や書類などが散らばっている。
(家では仕事しない主義っぽそうだけど…案外してるんだ)
まじまじと見てからそういえば瞬は、と視線を反対方向へと向ける。
「…、」
するとそこには無機質なパイプベッドの上、スーツも脱がずに寝ている瞬の姿があった。
(よっぽど疲れてるんだ…)
あ、でもそのままじゃスーツシワになっちゃうし…せめて上着くらいは脱がせてあげよう。
そう静かに近付いてその上着へと手を伸ばす。