イジワル王子と屋根の下



ー…



「うわ、それやっちゃいけないやつだよねー」

「……」



翌日、ラストまでの仕事を終えた私と宮本さん、菊間さんの三人は駅近くの居酒屋でグラス片手にテーブルを囲んでいた。



いつもなら急な誘いは断って帰っているけれど、今日は別。昨日の一件もあり素直に家に帰る気になれず、二人と共に飲みにきたのであった。



「そうだよね!寝ぼけてとは言え他の女の名前呼ぶなんて最低だよね!」

「うんうん。男ってそれよくやるけどさぁ、呼ばれたこっちはムカーッとくるんだよねぇ」

「わかるわぁ、うちの主人も付き合いたての頃よくやって…何度浮気を疑ったことか!」



酎ハイ片手に昨日のことを愚痴る私に、二人はうんうんと頷く。やはりそこは女子同士、気持ちがわかるらしい。



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