イジワル王子と屋根の下



「っ〜…もういやー!今日は飲む!吐くまで飲むー!!」

「明日仕事だからほどほどにー」

「…宮本さんって相談乗るふりして水谷さんのことからかってるわよねぇ」

「あ、わかります?」



小声で何やら話す二人をよそに、私はぐびぐびっとグラスの中身を空にする。



(…そういえば、瞬の元彼女の話とか聞いたことないもんなぁ)



自分から話すようなタイプじゃないし、けど私が自ら聞くのも…勇気がいるし。

きっと美人と付き合ってたんだろうなぁ。会社の人も美人ばっかりだし…。



…あれ、そう思うと何で私と付き合ってるんだろう。まさか本人もその考えに至っちゃった!?



『ステーキ食い飽きたからたまには沢庵もつまんでみたけど…所詮は庶民の食い物だな。フン、やっぱり俺の下には特上ビーフしか合わないぜ』とか…



(か、考えれば考えるほど嫌な思考になる…!!)



ほら、また

不安がひとつ




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