イジワル王子と屋根の下
「うちさぁ、実家7人家族なの」
「は?」
「おじいちゃんにおばあちゃん、お父さんお母さんにお姉ちゃんと私と弟、で7人」
いきなり話し出す私に、その目はこちらへと向く。
「家に帰ると絶対誰かいるし、一人でごはんなんてないし」
人がいることに、うるさいって感じるくらい慣れてた。
だからこそ、実家を出ることが少し楽しみだった。だけど、
「だから、こうして暮らしてるとすごく寂しい」
「……」
いざ一人になると、静かな部屋が何だか居心地悪くて、一人の食事はおいしくないことに気付く。