イジワル王子と屋根の下
「おい」
「わ!瞬!」
突然背後からかけられた声にビクッと振り返ると、そこには洗濯と乾燥を終えたらしく綺麗にたたんだタオルや着替えを持った瞬の姿。
「洗濯機。使い終わったから使えば」
「あ…うん、ありがと。あっ!ていうか人のこと『おい』って呼ぶのやめてよね!」
「…だって名前知らねーし。知ったところで呼ぶ気にならない」
「なんですって!本っ当嫌な男!!」
「いちいち騒ぐな。バカ犬」
「犬って言うなー!!」
すると不意にその視線は、私の横のゴミ箱へと向く。
「?何だそれ」
「え!?いや、これはっ…」
言いかけた所で手はスッと伸ばされ、アルバムを拾いペラペラとめくった。