イジワル王子と屋根の下
「……」
「……」
適当にセットされた茶色い髪に、高い背。整った顔立ちをした、まるで芸能人ばりに格好良い男の人。私より3つ以上は年上だろうか。
ていうか、えーと…誰???
あっ、不動産の人かな?勝手に部屋に上がれる人なんてそれくらいだよね?
にしても若くて格好良い…電話で声聞いた時は絶対おじさんだと思ったのに。
(って、いけないいけない!まずは挨拶!)
一瞬見惚れてしまうものの、はっと我に返り私は慌てて頭を下げる。
「すみません、今日からこちらにお世話になる水谷です。先日は色々とありがとう…」
「…は?」
「へ?」
私より確実に年上であろうその人は、意味がわからないと言った顔で首を傾げる。