イジワル王子と屋根の下
「…?何して…?」
「んなカスみてーな男は燃やせ。それに騙されるアホな自分も」
火が広まり、段々と燃えていく紙。
「…全部燃やして灰にして、新しいアルバム作ればいいんじゃねーの」
「……」
笑う二人の顔が、燃えていく。
だんだん、だんだんと、消えていく。
「バカみたいに投げ捨てて忘れた気でいるくらいなら、こうして目の前で焼き尽くしてやる。だからいちいち泣くな」
写真たちはあっという間に真っ黒な燃えかすとなり、風に吹かれて空に舞った。
「…さすがに、泣かれたら調子狂う」