イジワル王子と屋根の下
ーバタン、
「……」
(…何、それ)
本当だよ。
言い過ぎだし、容赦ないし
ひどいよ。むかつくよ。泣いちゃったよ。
もっとちゃんと、謝りなさいよ。
(…そう、思うのに)
残された燃えかすが、その優しさを感じさせるから
悲しさと入れ替わるように、こぼれる笑み。
十数ページにも渡る重すぎた思い出は風で吹き飛ぶかすとなり、心を少し軽くする。
(…食器も、買い換えようかな)
あの人の為じゃない、彼の為の食器を買おう。
そう見上げた夜の空に、星が一つ流れた。