イジワル王子と屋根の下
『瞬!一緒にスーパー行きませんか!!』
『はぁ?嫌に決まって…』
『行ってくれる!?喜んで!?よかったありがとー!さすが瞬くん!瞬さま!!よしじゃあ行こう行こう!!』
『……』
「…あはは…」
日頃電車やバスが当たり前で特に気にかけてもいなかったけれど、車も自転車もない生活っていうのは案外不便なもの。
というのも、お米や醤油などタイミング悪く重い類のものがついに全て切れてしまったからで、さすがに一人では大変だからと休日に家にいた瞬を荷物持ち要員として買い物に連れてきたわけだけれど…
断られるなんて目に見えてる、だからこそ彼の返事など聞く間もなく無理矢理連れて来たのだった。
おかげですっかり不機嫌な瞬に、私は苦笑いで荷物の乗ったカートを押す。