イジワル王子と屋根の下
「そもそも切れそうなったらマメに買っときゃよかったんじゃねーの?後で後でにしてるからこうして困るんだよアホ女」
「す、すみません…」
それは本当に、ごもっともで…
ざわざわとにぎわう日曜午後のスーパーのど真ん中でも、彼は相変わらず手厳しい意見を言う。
(…この前の優しさはやっぱりまぐれかぁ)
『言いすぎた、悪い』
こぼされた言葉が、意外だった。
触れた手は大きくて、男の人を意識させた。
胸の奥を、小さく鳴らした。