イジワル王子と屋根の下
「…けど、付き合ってる奴がいる時に浮気するようなバカでもねーし、ましてやそれを誇らしげに言うアホでもねーよ」
「なっ…」
庇ってくれているのかいないのか、曖昧な言い方をしながらもその目は目の前の二人をジロリと睨む。
「何それ!バカにしてるわけ!?」
「事実言ってるだけだっつーの。…おい、そっちの頭悪そうなケバい女」
「ケバ…!?」
「買い物カゴの中弁当ばっかだけど、毎日それ食わせてんのか?」
「だって帰ってすぐ食べれるじゃん。ゴミもそんな出ないし…」
「んじゃ米炊きすらもしねーの?うわ、手抜きにもほどがあるだろ」
「!」
いつも私に言うのと同じような勢いでズバズバと言う瞬に、相手は何も言えず黙り込む。