イジワル王子と屋根の下



「…けど、付き合ってる奴がいる時に浮気するようなバカでもねーし、ましてやそれを誇らしげに言うアホでもねーよ」

「なっ…」



庇ってくれているのかいないのか、曖昧な言い方をしながらもその目は目の前の二人をジロリと睨む。



「何それ!バカにしてるわけ!?」

「事実言ってるだけだっつーの。…おい、そっちの頭悪そうなケバい女」

「ケバ…!?」

「買い物カゴの中弁当ばっかだけど、毎日それ食わせてんのか?」

「だって帰ってすぐ食べれるじゃん。ゴミもそんな出ないし…」

「んじゃ米炊きすらもしねーの?うわ、手抜きにもほどがあるだろ」

「!」



いつも私に言うのと同じような勢いでズバズバと言う瞬に、相手は何も言えず黙り込む。



< 63 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop